ERP鉄筋防錆工法
- 外壁改修
- 長寿命化
- 補修・改修・ アスベスト対策
- 歴史的建造物
- 躯体補修・改修
- 耐久性向上
本工法は鉄筋腐食補修工法の防錆処理後にERP鉄筋防錆材を塗布する事で、既存断面修復工法の防錆効果を向上させる工法です。
ERP鉄筋防錆材は、鉄筋に塗布したポリマーセメント系防錆材に含浸し細孔を埋め、水と炭酸ガスの浸透抑制層を形成する事で防錆効果が向上します。

工法の概要

本工法は鉄筋腐食補修工法の防錆処理後にERP鉄筋防錆剤を塗布する事で、既存の鉄筋腐食補修工法の防錆効果を向上させたものです。ERP鉄筋防錆剤は、鉄筋表面に塗布したポリマーセメント系防錆材に含浸・固化し細孔を埋める事で、その表面に水・炭酸ガス・塩化物イオンの浸透抑制層を形成します。これにより鉄筋表面への水分と塩化物イオンの供給を抑制する事で、中性化や塩害における鉄筋腐食を抑制します。
特長
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防錆効果が向上
- ERP鉄筋防錆剤を塗布した鉄筋は、雨水等による腐食を抑制します。
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歴史的建造物や耐久性の低い躯体補修で鉄筋の腐食を抑制
- ERP鉄筋防錆剤の防錆効果は、塗布したポリマーセメント系防錆材の表層で得られるため、かぶり厚さが不足する歴史的建造物や、耐久性が低下した既存躯体のRC補修において、鉄筋の腐食を抑制できます。
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既存の断面修復工法を活用
- ERP鉄筋防錆剤は既存断面修復工法のポリマーセメント系防錆材と組合せて使用可能です。
ERP鉄筋防錆工法の性能
鉄筋防せい材としての性能
建築改修工事監理指針(平成19年度版)及びNEXCO構造物施工管理要領の定める基準値をクリアしています。


【品質基準】
・建築改修工事監理指針(令和4年度版) 鉄筋コンクリート用防せい材の品質基準(案)
・NEXCO構造物施工管理要領(令和6年) Ⅲ保全編 3-3断面修復材 3-3-3鉄筋防錆材の性能照査
【試験方法】
・日本建築学会「鉄筋コンクリート造建築物の耐久性調査・診断および補修指針(案)・同解説付1.3」鉄筋コンクリート補修用防せい材の品質基準(案)
塩化物イオンの浸透抑制効果
ポリマーセメント系防せい材にERP鉄筋防錆剤を塗布する事で、塩化物の含浸深さと塩化物量を大幅に抑制できます。


試験体 ポリマーセメント系防せい材にて作成したモルタル試験体(40×40×160mm)
塩水浸漬 試験体打設後14日目でJSCE-G572-2003「浸せきによるコンクリート中の塩化物イオンの見掛けの拡散係数試験方法 (案) 」により、NaCl 10%水溶液に27日間浸漬
浸漬面の処理 ERP鉄筋防錆剤を100g/㎡塗布、および無塗布
塩化物の測定 JSCE-G574-2013「EPMA 法によるコンクリート中の元素の面分析方法」
鉄筋腐食の抑制効果
ERP鉄筋防錆剤を用いて防錆処理した鉄筋は、多量の塩化物を含有するコンクリート中でも鉄筋の腐食を抑制します。


コンクリート試験体 W/C60%、塩化物イオン量5kg/㎥
埋設鉄筋 みがき丸鋼φ13-SS400、かぶり厚さ20mm
鉄筋の防錆処理 ポリマーセメント系防せい材厚さ2mmにERP鉄筋防錆剤を塗布
腐食促進の条件 30サイクル(1サイクル:NaCl 3%水溶液に3日間浸漬、4日間60℃乾燥)

