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円形鋼管への無溶接接合「SpS工法」

SpS(エスピーエス:Steel-pipe Sandwich)工法は、溶接を用いることなく、既存の円形鋼管に補強部材を設置することができる接合工法です。鋼管にボルト孔をあける必要もありません。本工法による接合は、施工時の火災リスクを大幅に低減することができるため、工場や倉庫、事務所等での工事も安心です。設置可能な部材は、円形鋼管を用いた柱・梁部材や、円形鋼管トラスで構成された各部材になります。

既存円形鋼管は板厚が薄いことも多く、溶接を用いた場合、熱の影響で鋼板が容易に曲がってしまうため注意が必要です。本工法は溶接やボルト穿孔が不要であるため、既存躯体を傷めずに補強部材を設置することが可能です。

設置タイプは鉄骨枠タイプとブレースタイプの2タイプがあります。鉄骨枠タイプは、補強部材を鉄骨枠に取り付け、その鉄骨枠と補強部材を本工法で接合します。ブレースタイプは、補強部材のガセットプレート等を本工法で直接接合します。

鉄骨枠タイプ トラス梁への適用事例
鉄骨枠タイプ 柱への適用事例
ブレースタイプの適用事例
ブレースタイプの適用事例

適用可能な鋼管外径はφ89.1からφ318.5(mm)となっており、この範囲外の径については、ご相談とさせて頂いております。

構成部材は、補強部材が取り付く「補強部材接合部(非接着部)」と、この部材の両側に設置される「せん断抵抗部(接着部)」です。これらは半筒状の専用の金物となっており、既存円形鋼管を挟むように取り付きます。

せん断抵抗部は接着剤で接合されており、鋼管軸方向の動きだけ(横すべりする方向だけ)を拘束します。

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