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サブテラヘルツ波によるコンクリート内部を透視する技術で鉄筋腐食状態を推定【プレスリリース】

★☆★非破壊・非接触で情報を得られるサブテラヘルツ波を利用した装置を開発して、予防保全型の維持管理体系の構築を実現する★☆★

当社は、芝浦工業大学、東北大学と共同で「サブテラヘルツ波によるコンクリート中の鉄筋腐食評価技術の研究開発」を行っています。

研究開発に至った経緯

 住宅・建築物を長期に健全な状態で活用し、維持管理コストを低減するためには、劣化が顕在化する前に対策を行う予防保全体系による維持保全が求められています。
従来の目視や打診を中心とした調査は、劣化が顕在化する以前の情報を把握することはできませんでした。
 本技術開発は、このような問題点を解決するため、非破壊・非接触で、コンクリート中の鉄筋の腐食化傾向や腐食要因を把握する技術の開発することであり、少ない手間で多くの情報を得る調査により生産性の向上を図り、建物調査の実施率の向上、および予防保全型の維持管理体系の構築を目標としています。

サブテラヘルツ波の開発の現状

サブテラヘルツ波とは

 周波数可変の測定系により、10~30GHzのサブテラヘルツ波の周波数特性により、測定深度、測定精度等が最適となる周波数を選定し、かぶり厚さ50mm程度までの内部鉄筋の可視化および評価技術の現状は次の通りです。

サブテラヘルツ波の反射強度変化による評価

 鉄筋の腐食により反射強度が小さくなる特性を利用し、反射強度比質量減少率と電磁波レーダ装置による鉄筋位置情報を利用した鉄筋腐食度評価の例を図1に示します。

かぶり厚さの違いにより鉄筋からの差分反射強度が異なる。最大でかぶり厚さ50mmで確認。

かぶり厚さが異なる試験体における反射強度の違い

かぶり厚さ10mmにおける鉄筋腐食度評価

鉄筋腐食なしから腐食質量減少率の変化によって反射強度に変化が生じることが確認されています。

測定した鉄筋腐食試験体②
腐食無し 試験体①:1.12% 試験体②:1.64%

建造物測定に向けた取組

実現場に適用可能な可搬型の測定装置(近接評価用・遠隔評価用)を構築しました。

開発した測定装置の例

今後の予定

今後は、実構造物での測定を行いうことで、実験室とは異なる課題が見つけ、サブテラヘルツ技術を実構造物に適用し予防保全、長寿命化に有用な計測技術として確立するための取組みを行う予定です。

発表した関連論文

・疋島宗哉、濱崎仁、田邉匡生、西脇智哉、田中章夫、佐藤大輔、清水耕史、原星海、藤井翔:サブテラヘルツ波によるコンクリート内部の鉄筋腐食の非破壊・非接触型推定手法に関する研究(その1 含水率,塩化物イオン量,鋼板の腐食による影響についての評価)、日本建築学会大会(北海道)、講演梗概集、pp.395-396、2022.7
・疋島宗哉、濱崎仁、田邉匡生、西脇智哉、田中章夫:サブテラヘルツ波によるコンクリート内部の劣化因子および鉄筋腐食状況の非破壊・非接触型推定手法に関する基礎的検討、日本非破壊検査協会、シンポジウム「コンクリート構造物の非破壊検査」、pp.53-56、2022.8
・疋島宗哉、濱崎仁、田邉匡生、西脇智哉、田中章夫、佐藤大輔、小林大知、有田剛士、藤井翔:サブテラヘルツ反射波による鉄筋コンクリート構造物を対象とした非破壊試験に関する基礎的検討 その2:内部鉄筋の可視化および腐食状況の評価手法の検討、日本建築学会大会(近畿)、講演梗概集、pp.199-200、2023.9
・疋島宗哉、濱崎仁、荒川璃音、田邉匡生サブテラヘルツ波を用いたコンクリート中の鉄筋腐食に対する非破壊・非接触型評価手法の検討:日本コンクリート工学会、コンクリート工学年次論文集2023、pp.1282-1287、2023.7
・濱崎仁、疋島宗哉、田邉匡生、佐藤大輔、倉品吏玖・サブテラヘルツ波を用いたコンクリート中の鉄筋腐食に対する非破壊・非接触型評価手法に関する研究、日本実験力学会:実験力学,Vol.24,No.2,2024年6月発行予定

開発実施者

建築学部 濱崎研究室
http://hamasaki-lab.matcon.arch.shibaura-it.ac.jp/

デザイン工学部 田邉研究室
https://recycledesignsit.com/

東北大学
工学部建築学科 西脇研究室
https://www.lcel-tu.com/

コンステック
技術本部 調査技術部

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000140724.html